協力隊 生き方

国際協力・海外ボランティアで途上国に行く学生たちに一言物申す!!

どうも、元青年海外協力隊ラオス派遣のジーコ(@laolaos_koji)です。

 

今回は青年海外協力隊として、世間でいうところの国際協力をやっていた身として、海外ボランティアをやっている・やろうとしている学生に一言物申したい。

 

それは…

 

 

「その行動力、実に素晴らしい!!」

 

 

ってこと。

 

若者の海外旅行離れが叫ばれている中、自らの意志で海外に出ようとする好奇心。

困っている人のために何かをしたいという心の優しさ。

感服致す!!

 

中には、奨学金を借りながらバイトもして、なけなしのお金を使って、海外ボランティアに行く学生もいるでしょう。

大切なお金と時間を海外ボランティアのために使うとはなんとなんと素晴らしいことか!!

 

だけど、

だけど、、

だけど、、、

 

せっかく来たのに勿体ない!!

と、思うことが多々、これまでラオスで何度もボランティア団体の学生と話してきて思いました。

 

せっかく大切なお金や時間を使って海外にきたのだから、もっと充実した活動にしてもらいたいと心から思います。

 

そんなわけで今回は今までの協力隊経験から、こうしたらもっと学び・実りが多い活動になるんじゃないかな~と思うことを書いていきたいと思います。

 

 

途上国フィルターを捨てるべし

 

ぼくにはTwitterでよく海外ボランティアしている学生から連絡がきます。

そのこと自体はとても嬉しいことなんですが、ある日こんなメッセージがきました。

 

「ラオスで支援を必要としている小学校を探しているのですが、ご存知でしょうか?」

 

ぼくは答えに困りました。

 

『支援を必要としてる小学校』という言葉に引っかかったからです。

 

何をもって支援が必要な学校とするのだろうか?

そもそも、なぜ支援が必要であることが前提なのだろう?

 

そして思ったのです。このままではこの学生は『途上国フィルター』を通してラオスという国を見てしまってるんじゃないか?と。

 

途上国フィルター通すとは、『ラオス人民民主共和国』という一国を見るのではなく『途上国ラオスという先入観を持って、その国(ラオス)の途上国らしい部分ばかりを見ようとしてしまうことです。

つまり、対等な一国として、フラットな状態でその国を見ることができなくないということです。

 

『先進国』『途上国』という表記をするとあたかも先進国が上途上国が下のように思えてしまいますが、そうではありません。

国際的には『先進国』『途上国』と区別はありますが、そこに上下関係はありません。

 

たぶん多くの学生は「自分は日本の方が上だなんて思っていない」と思っているかもしれないけれど、これまでの受けてきた教育によって『途上国は可哀そうな国だ』という考えが無意識的に染みついている可能性が大いにありえます。

 

例えば、

素手でご飯を食べる。

裸足で歩く。

ゴミをポイ捨てする。

バスが時間通りに来ない。

 

というようなことを「発展途上国だからなぁ~」と思ってしまうのは勿体ないことです。

 

それらの行動にはその国の文化的背景が反映されているかもしれません。

発展途上国を一括りにしてしまうとせっかくのその国の面白い文化が見えなくなってしまいます。

 

なので意識的に『途上国フィルター』を捨てようとする必要があります。

と言ってもいきなり途上国フィルターを捨てよう!といっても簡単ではないので、

あなたがその国で出逢った出来事に対して「途上国だから」という理由以外の理由を探すようにしてみてください。

 

そうすると面白い発見があると思います。

 

 

その国に浸るべし

ラオスにいるとき、あるボランティア団体に出会い、その学生たちと話をしました。

話の中でぼくは何気なく「昨日の夜何食べたの?」と聞いてみると彼らは、

『北朝鮮料理です!』と答えました。

 

確かに、ラオスでは日本ではお目にかかれないであろう北朝鮮料理屋さんがあります。

まぁ、珍しいものだし食べてみたい気持ちも分らんでもないです…。

 

じゃあ「ラープとかパパイヤサラダとかラオス料理は食べた?」と聞くと、

『食べてないです。パパイヤサラダってどんな料理ですか?』と返ってきました…。

 

ぼくは言葉を失いました。

 

この学生たちはわざわざラオスまで何をしに来たんだろう…?

そして彼らはラオスで何を感じ、何を学び日本に帰るのだろう…?

そう思うと少し悲しくなりました。

 

 

ぼくは知らない国に行ったらまずはその国を衣食住を知ることが何よりも大切だと思っています。

 

その国のために支援をしたいと言って、その国の人が普段どんなものを食べ、どんなところに住んでいるかも知らないで何ができるのだろう?と思います。

 

現地の人の生活を知るためにぼくがおすすめする行動が3つあります。

①現地の料理を食べる。

②市場に行く。

③ホームステイorお家訪問をする。

 

③は少し難しいかもしれませんが、①、②は誰にでも簡単にできることだと思います。

特に市場に行くのはめちゃくちゃおすすめです。

市場に行けばどんなものがどんな状態で売られ、消費者は何をどのように買うのかが分かります。つまりその国の生活の一部をありのまま見ることができます。

 

学生がスタディツアーなどで海外に行くのは大体10日間くらいだと思います。その短い期間くらいは現地飯を食べて、その国にどっぷり浸かってほしいなと思います。(もちろん体調に応じて)

 

観光は本気で楽しむべし

 

「ボランティアに来たのに遊んでいいの??」と思う人がいるかもしれないけれど、

そんな罪悪感なんて一切持つ必要はない。

他人からどう思われるかなんて気にしなくていい。その考えはむしろ『途上国フィルター』を通してしまっているものだから。

 

途上国をわざわざ可哀そうな国に見せる必要ないんです。

その国の色々な面を知ることの方がよっぽど大切です。

 

そんなわけで観光は本気で楽しんで良い!!(もちろん節度は守ってね)

 

だって、本気で楽しんだ思い出の方がまたこの国に来たいっていう気持ちになるでしょ。

そして、その国に行ったことない人にもその国のことを話したいという気持ちになるでしょ。

 

国際協力は大学の4年間だけじゃないし、その国に行っているときだけじゃないからね。

 

 

最後に

 

たまに現地で長く活動している人が「学生ボランティアの活動なんて所詮…」と聞くことがあります。

それを聞いてぼくはとても残念な気持ちになります。

 

発展途上国には学生ボランティア団体を含め、青年海外協力隊やその他NGOなど様々な団体が活動を行っています。

そして、青年海外協力隊だからこそできて学生団体にできない事、青年海外協力隊にはできなくて学生団体にこそできる事があります。

 

それぞれの団体にはそれぞれの役割があり、活動内容を比べる必要はないと思っています。

 

例えば、学生ボランティア団体の役割の1つに『海外に行くきっかけ作り』というものがあると思っています。

1人では途上国に行けないような人でも、学生ボランティア団体があるからこそ気軽に途上国に行くことができます。

そのおかげで若いうちに海外のことを知り、もっと深く国際協力に関わってみたいと思う人材が出てきます。

 

それはとても素晴らしいことで、学生ボランティア団体にしかできないことだと思います。

 

ぼくはそれぞれの団体がそれぞれの国際協力をもっと尊敬し合い、協力し合えればいいなぁと思います。

 

 

ではでは、そんなわけで海外ボランティアに参加している学生の皆さん、自分たちの活動に自信を持って全力で楽しんでください。

より充実した活動になることを心から応援しています!!

-協力隊, 生き方
-,