どうも、「先生、学校は行かなきゃいけないの??」というTwitterアカウントで不登校問題を中心に日本の教育についての発信をしているジーコ(@laolaos_koji)です。
不登校になると学校に行っていたときとは異なる生活リズム・環境となります。
不登校の数は全国で18万人超(2019年)となっていますが、その環境は未だ整っているとは言えない状況です。
そんな状況下で不登校になったとき不登校当事者・保護者はいったいどんなことを求めているのでしょうか?
今回は「不登校になって求めるようになったもの」について調査してみることにしました。
不登校になって求めたものアンケート
今回も「先生、学校は行かなきゃいけないの??」のアカウントで以下のようなアンケートを取ってみました。
【急募】
不登校の経験者及びその保護者にお聞きします。不登校になり一番求めるようになったものは何ですか?
(例:子どもの学び場、居場所、相談場所、〇〇に関する情報など)当事者か保護者か立場を記載のうえ、教えていただけると幸いです。#RT希望
— 先生、学校は行かなきゃいけないの?? (@namonakigakkou) November 16, 2020
180件以上のコメントがあり、そのコメントを意味ごとに分けると231個となり、それぞれをカテゴリに分類してみました。
そして、不登校当事者と保護者のコメントに分けて集計し、不登校当事者と保護者の求めるものの違いについても考えてみることにしました。
アンケート結果
不登校当事者の回答
理解のある大人の存在 | 19 |
居場所 | 16 |
学校・教室以外の学び場(学習) | 8 |
1人になれる自由な時間・場所 | 7 |
仲間・友達 | 5 |
趣味や楽しみ | 3 |
社会の理解 | 2 |
学校とのやり取り | 2 |
その他(1つだけだったもの) | 4 |
不登校当事者のコメントは66個に分けることでき、その中でも最も多かったのが「理解のある大人の存在」、次いで「居場所」、「学校・教室以外の学び場」、「1人になれる自由な時間・場所」という結果でした。
実際のコメントをいつか見てみましょう。
不登校当事者のコメント
当事者です。
居場所と家族以外の他人と関わる場所でした。
自分を否定しない大人に関わりたかったです。— ママ. (@smile_0623_) November 16, 2020
元当事者です
いちばん欲しかったのは、安心できる居場所です。家庭内にも居場所がなかったので。
友達ができるような居場所が欲しかったです。— てこ (元不登校&引きこもり) (@teko_teko3) November 16, 2020
当事者です。
①とにかく何も考えず休める場所
②学校へ行かなくていいよと言ってくれる人
③不登校=悪いことではないと言ってくれる人
不登校になったとき、なりそうだったとき、罪悪感が強すぎて学校へ行っても休んでもただ辛いだけでした。
↓— 10ri (@10ri0827) November 16, 2020
スクールカウンセラーや、市の相談所にいるカウンセラーと話していてもその方が『あなたは、どうして学校に行かれないのかな?』というスタンスだと、責められてるようでただただ苦しかった。
私を救ってくれたのは「ま、死なないし大丈夫☺️」と言ってくれた先生です。— あいあい (@JrzlFDyoRXg1GDi) November 16, 2020
経験者です。…と言っても20年ほど前ですが。
一番は同じように悩んでいる仲間。
次にその仲間と気兼ねなく話せる居場所、そして何も言わずに見守ってくれる大人の存在の順で当時は求めていたと思います。— こたつみかん (@kotatsumikan117) November 18, 2020
不登校当事者です。
んー、「1人でいられる場所」とか、
「学校行かないことに外野がとやかく言うな」ですかね。学校行ってもつらいし、行かなくてもつらい。居場所(心が自由にできる場所?)がほしかったです。 同じ家の中で家族と顔合わせるのも、誰かの生活音を耳にするのも嫌だったなぁ…— 桃缶 (@viCGp9dY1RLVV3Z) November 17, 2020
保護者の回答
子どもの居場所 | 42 |
社会・家族・地域の理解 | 20 |
情報・相談場所・専門機関 | 19 |
学校・教室以外の学び場 | 11 |
保護者が自由になれる時間・場所 | 11 |
公的なサポート(システム・助成金) | 10 |
居場所・保護者会(大人) | 8 |
カウンセラー | 8 |
友達(子ども同士) | 8 |
子どもの話を聞いてくれる理解ある大人 | 7 |
オンライン授業 | 6 |
理解のある学校関係者 | 5 |
食事・生活に関わるもの | 3 |
子どもの精神的安定 | 2 |
子どもの笑顔 | 2 |
その他(1つだけだったもの) | 3 |
保護者のコメントは165個に分けることができ、その中でも最も多かったものが「子どもの居場所」、次いで「社会・家族・地域の理解」、「情報・相談場所・専門機関」、「学校・教室以外の学び場」という結果でした。
それでは実際のコメントをいくつか読んでみましょう。
不登校の保護者のコメント
夫の理解です。毎夜子どもを「なぜ行かない!納得いく理由を説明しろ!明日は行くよな?」と無理やり「行く」と言わせ「ほら、明日は行くってさ」って…。翌日、行けるわけない。子どもを起こす前に夫は出勤。「あとよろしくね」って
— とかげ@不登校の母 (@h8kZDohRcgh4Ed6) November 16, 2020
保護者です。子供が先生と合わない
相談機関に相談しても最終的に「学びの機会を捨てないで」と学校に行かせようとする。
オンライン授業もしくは選択制の登校などの学びの場、お友達との繋がり。あとは小学校低学年なので金銭面です。
— suu (@suu05122421) November 17, 2020
保護者です。小4、5年生です。自主休校中の子供達が1番求めるのはオンライン授業です。遊び場は家でも作れる、家ならゆっくり自分のペースで楽に勉強できるけどテスト等ないと本人のレベルがわからない、親としたら学校始まったら学校のペースについていけるか心配です。
— tae (@tae40589833) November 17, 2020
保護者です。
担任(学校)とのやり取りがなくなればよいとずっと思っていました。(1番求めたもの。)
全て放置してくれた方が楽なのに、テストはやりに来いとか、プリント取りに来いとか、めんどくさかったです。
学校側はたまにでも生存確認しないといけないらしいです。
— みらぽ (@Mirapo7) November 17, 2020
現在は短時間別室登校児の保護者です。
一番は子供の教育が受けられる居場所。
本音は私が1人になれる時間😅— midoringo (@mel_midoringo) November 17, 2020
保護者です。
まずは、
「わかる〜」と言ってくれる人。
子どもが不登校になった当初は孤独で不安でたまらなく、共感と情報に飢えてたな。親が不安では子どもに寄り添えない。
— 言いたいことも言えないこんな世の中じゃ (@hinoichangm) November 17, 2020
保護者です
子供の気持ちを十分に聞いてくれる場所
親に言えない気持ちも黒い気持ちもめいっぱい吐き出しても受け止めてくれる場所同時に保護者の気持ちの吐き出せる場所
特に最初のころは支援の集団に入るより
個人でゆっくり話せる専門機関が欲しかったです— CLAM (@Asarisijimihama) November 17, 2020
保護者です。
やはり外出できにくいので、体力ある子供たちの発散場所ですかね。
あと地味に昼食代・・・— のらりくらり (@norarikurari171) November 16, 2020
この他にもたくさんのコメント頂きました。ご協力ありがとうございました。
まとめ・考察
今回は、「不登校になって求めるようになったもの」について、不登校当事者と保護者に分けてコメントをカテゴリー別に集計してみました。
不登校当事者の求めるものとして多かったものが「理解のある大人の存在」、「居場所」、「学校・教室以外の学び場」、「1人になれる自由な時間・場所」となり、
保護者が求めるものとして多かったものが「子どもの居場所」、「社会・家族・地域の理解」、「情報・相談場所・専門機関」、「学校・教室以外の学び場」となりました。
不登校当事者が求めているものの特徴
不登校当事者の求めているものの特徴として「理解のある大人の存在」というコメントが1番多かったということがあります。不登校当事者にとって「居場所」よりもまずは「理解者」がいるということが重要ということです。そして、特に保護者などの身近な大人に不登校理解が子どもの安心感に繋がると考えられます。
また、「1人になれる自由な時間・場所」というコメントが比較的多かったのも不登校当事者の特徴です。保護者や大人が心配して子どもに対して積極的に働きかけることが逆効果の場合もあり、誰にも邪魔をされずに自分と向き合う時間も時として必要なのかもしれません。
その子の状況に応じて1人1人対応は変わってくるでしょう。
しかし、最も重要なのは「理解者」がいることです。理解のある大人が身近にいることで子どもたちは前に進むことができるでしょう。
保護者のコメントの特徴
保護者の求めているものの特徴的なものとして、「家族(夫)の理解」、「情報・相談場所」、「お金(教育費・食費)」が挙げられます。
周囲の理解がないという中でも、夫の理解がないというのはよく聞きます。過去にも夫の不登校理解に関するアンケートも取らせていただきましたので是非参考にしてみて下さい。(http://thisway.fun/2019/01/31/unschooling-persuade-husband/)
夫婦間で学校に行かないことに関する考えに違いがあると子どもも不安定になる場合が多いです。実際に今回のアンケートで不登校当事者が求めるのものが「理解のある大人」であることが明らかとなりました。夫の不登校理解を深めることは子どもの安心感に繋がるでしょう。
「情報・相談場所」については、実際に不登校になってから保護者の方が自力で情報を探し回るというケースが多いように思います。不登校になるならないに関わらず、不登校に関する情報がもっと身近に得られる環境になってほしいと思います。
最後に、「お金(教育費・食費)」に関するコメントも少なくありませんでした。学校に行かないことを選んだ場合、フリースクールに通ったり、自分で教材を買ったり、お弁当や日中の光熱費など、学校に行っていれば必要としないお金がかかってしまいます。そうした面での不安や不満も少なくないと思います。「学校に行かなくても大丈夫」と何の気兼ねもなく言えるようにするためにも助成金等の公的なサポートが必要ですね。
最後に
今回は、「不登校になって求めるようになったもの」についてアンケートをしてみました。回答してくださった皆様、ご協力ありがとうございました。
こういったリアルな情報がより多くの人に届き、不登校に関する理解が深まることを切に願います。
是非、シェア等よろしくお願い致します。